教育

不登校生の増加と学級という組織

全国のほとんどの学校で2学期(あるいは前期後半というのだろうか)が始まったと思う。僕が勤める学校も8月下旬に登校が再開された。 ところで、夏休み明けのこの時期は近年、明るい話題よりも暗い話題が多い。毎年のように、日本のどこかで児童生徒の自死…

予期したより早い栄冠

第104回全国高等学校野球選手権大会において、仙台育英高校が初優勝を果たした。 宮城県初、東北勢初の優勝ということで、例年以上に祝福ムードとなっている。 大阪桐蔭や智弁和歌山などの、ある程度優勝が予想されていた学校が優勝していれば、同じような状…

教員を苦しめる法制度(教員の働き方を考える2)

前回の記事で、教員の「代わりのきかなさ」を書いたが、今回は「人事配置と業務への対応」について記していこうと思う。 ちなみに僕は人事に関する仕事に携わったこともないし、教員人事のルールや制度についてよく知らない。あくまでも、僕個人の経験と感覚…

「教師不足に関する実態調査」から(教員の働き方を考える1)

先日(1月31日)、文科省が「教師不足に関する実態調査」の結果を公表した。これまで、全国的に教員が不足しているとの報道は多々あったが、国による調査は初めてだったため、大きな注目を集めた。1面も含め、特集を組んでいる新聞もあったくらいだ。 結…

9月入学論は長期的な視野で

新型コロナウイルス感染の波は徐々に落ち着きを見せ、昨日、全都道府県の緊急事態宣言が解除された。それに伴い、全国の学校も来月からほぼ再開されるのではないだろうか。詳しいデータはないが、本県は来月からの再開を決めている。 さて、そんな中で気にな…

9月入学論の議論はすべきだ

9月入学論が一気に熱を帯びてきた。発端は宮城県知事の発言だろうか。多くの識者がコメントを出し、ネットでも賛否両論が見られる。 休校の期限を繰り返し伸ばす中で、一つのスタート地点を示すのは誰にとってもいいことだと思う。しかし、先日も書いたよう…

ピンチをチャンスに

インターハイと全中の中止が決まった。高校3年生と中学3年生の部活生にとっての集大成となるはずだった大会が中止になったことは、本人にとってはもちろん、指導者、保護者にとっても辛いものだろう。どの時点で、どのように、気持ちの切り替えをするかはと…

2年間の離職のあとに

この2年間、学校現場を離れた理由は、前向きな言葉で言えば、違う環境で新しいチャレンジをしてみたかったからで、後ろ向きな言葉で言えば、学校の仕事に飽きていたからである。飽きたと言っても、採用されてから9年、臨時採用の期間を含めると15年程である…

学校と家庭の役割とは

前回の記事で不登校のことを少し触れたので、今回はそれについて。 不登校にはネガティブなイメージがつきまとっていたが、近年は「学校に行きたくないなら行かなくていい」という風潮になってきた。辛い思いをして学校に行き、最悪の場合、命を絶ってしまう…

卒業式を無意味だと思う子どもたちへ

コロナウイルスの感染拡大を受け、あらゆるイベントや行事が規模縮小や中止になっている。この時期の日本における恒例行事である学校の卒業式もその一つだ。 学校が休校となっている中、卒業式だけは実施している学校は多い。児童生徒にとって、大事な行事で…

英断に感謝

センバツの中止が決まった。高野連にとっては、苦渋の決断であっただろうが、この状況にあっては 中止しか選択肢はなかった。もし、開催することにしていたら、野球離れはさらに進んだだろう。野球好きの人間として、今回の英断に感謝したい。 今回の決定に…

夢の舞台は、感動を呼ぶのは甲子園だけじゃない

かつて、異動直後に野球部の保護者会に呼ばれたときに、「野球部の顧問をするのは久しぶりですのでとても嬉しく思っています」というような挨拶をしたら、「先生は前の学校で何部の顧問だったんですか?」と聞かれ、「バドミントン部です」と答えたら、保護…

変わる人々と変わらない人々

甲子園という舞台を目指してきた高校生と同じように、全国大会の舞台を目指して努力を重ね、その出場権を掴みとった高校生がいる。そこに優劣はないはずであり、野球だけが開催されるということはどう考えてもおかしい。 昭和の時代は、日本国民にとって野球…

衝撃の数字

昨日、熊本県公立高校後期選抜の志願倍率が発表された。驚きの結果だった。なんと、全日制平均が1倍を切ったのだ。この数字を見たとき、いよいよ熊本県教育委員会は入試システムや公立高校の在り方を本腰で検討しなければならない時期に来たと思った。 折し…

残業時間の上限の設定に意味はあるのか?

先日(25日)、中央教育審議会は文部科学大臣に公立校教員の長時間労働を是正する方策を答申した。残業時間を原則「月45時間、年360時間」と定めたらしい。 これを見たとき、「この数字を定めることに何の意味があるのだろう」と思った。業務時間を減らすた…

教員は忙しい?

前回の更新から1週間以上が経過してしまった。1週間に1回というのを目標に掲げていたが、やはりなかなか難しい。もっと気軽な気持ちで書ければいいものを、なんとなく重く捉えてしまうところがある。 大河ドラマ「いだてん」は本日、3回目の放送を迎えた…

全国高校駅伝

駅伝って、なぜこんなにも人気があるのだろうと思っていた。 毎年、冬になると全国各地で多くの大会が開催され、中でも箱根駅伝は絶大な注目度を集める。 それぞれの持ちタイムがあるのだから、走る前から結果はほぼわかっている競技である。「1本のタスキ…