ピンチをチャンスに

 インターハイと全中の中止が決まった。高校3年生と中学3年生の部活生にとっての集大成となるはずだった大会が中止になったことは、本人にとってはもちろん、指導者、保護者にとっても辛いものだろう。どの時点で、どのように、気持ちの切り替えをするかはとても難しいだろうと思う。

 

 インターハイが中止になったことで、夏の甲子園の中止も免れないだろう。判断は5月20日とのことであるが、仮にその時点で収束が見込めるような状況になっていても、中止にすべきである。いや、明日にでも、中止を発表すべきである。以前も書いたように、野球は高校の部活の一つである。高校生や保護者の立場に立てば、野球だけ開催するのは許されない。もし、開催すれば、野球に対する世間の風当たりは強いものになるだろう。センバツを開催してほしいと言っていたのも、ほとんどが70過ぎの男性である。他の世代からはそれほど野球は支持されていないのだ。

 

 それにしても、センバツ開催の可否を議論しているときは、夏の開催には疑問を持っていなかった。ここまでの状況になってしまったのは、安倍政権の失政に尽きる。やることなすこと全て国民から批判を買い、リーダーとしての信頼を失っている。学校に例えるなら、学級崩壊の状態である。

 それでも、ようやく最近は自粛しようという動きは高まってきた。特に、この土日は報道を見ている限り、自粛の機運が高まっているように感じる。問題は、ゴールデンウィークだ。ここを我慢して収束を早められるか、我慢できずにダラダラと感染者数を増やすことになるか、日本国民の意識が問われている。

 確かに、今まで当たり前のようにできていたことができないのは辛い。しかし、皆で我慢すれば、その我慢の期間は短くなるのだ。日本経済へのダメージを少しでも減らすためにも、一致団結して我慢するときだ。

 

 話が逸れたが、教育界にこれだけの影響が出ている今だからこそ、制度や方法を見直すチャンスであるとも思う。まず、ネット上でも散見されているが、9月新学期制。国民民主党が検討グループを作ったらしいが、正直、実現のハードルはかなり高いと思う。しかし、大いに検討すべきであると思う。そして、部活動の在り方も。

 

 公教育に予算を投じず、現場の先生方の熱意によって何とか成り立ってきた日本の教育が今般、その脆さを露呈させた。

 これを機に、明治以来続いてきた日本の教育を根本的に変えるチャンスだと思う。それを実現するために、文科省そして、地方教育行政の手腕が問われている。