全国高校駅伝

 駅伝って、なぜこんなにも人気があるのだろうと思っていた。

 毎年、冬になると全国各地で多くの大会が開催され、中でも箱根駅伝は絶大な注目度を集める。

 それぞれの持ちタイムがあるのだから、走る前から結果はほぼわかっている競技である。「1本のタスキをチームでつなぐ」ことが、集団の力や協調性を美とする日本人の心を惹きつけるだろうと思っていた。

 僕は、下馬評どおりの結果とはなりにくい、野球やサッカーの方が好きだった。

 

 今年の4月から僕はランニングを始めた。ここ数年、日本では空前のランニングブームであることは知っていた。でも僕は決してブームに乗ったわけではなく、4月から職場が変わり、土日の時間が空いたこと、日常的に体を動かすことが少なくなったことーそういった理由でランニングを始めた。

 もともと、子どもの頃から走ることは嫌いではなかったが、ずいぶん長い間、走るという行為をしていなかったため、走り始めた当初は、ほとんど走れなかった。でも、コツコツと走り続けているうちに、だんだんと息が切れなくなり、筋肉もついてきて、長い距離を走れるようになってきた。11月には10kmのレースに出て、まずまずの結果だった。2月にはハーフマラソンに出る予定だ。ただ、最近は膝の痛みが出てきたため、無理はしないようにトレーニングを積みたい。

 

 さて、駅伝の話から逸れたが、要するに、自分がランニングを始めたことで、タイムやらペースやらランナーの気持ちやらが少しはわかるようになったので、駅伝に興味を持つようになったということだ。それに、今日開催された全国高校駅伝には、僕のかつての教え子が出場していた。教え子といっても、陸上の指導をしたわけではなく、担任をしていただけである。彼が中学1年のときだ。

 彼はその学校の中心選手であり、全国的にも注目を集める選手だった。テレビの前でレースの行方を見ていたが、おそらく彼本人としても納得のいく結果ではなかっただろう。もっと、自分の力は出すことができたはずだと思っていただろう。本人からの話を聞いたわけではないのでわからないが、ベストな結果ではなかったように思う。

 それでもチームとしては最終的に上位に食い込んだ。悪くない順位だろうと思う。特に、最終走者が非常によく頑張ったと思う。

 

 大会全体を見てみて思ったことが、留学生の力の大きさだ。優勝校と準優勝校は留学生の力の結果といっても過言でもない。規定上、問題ないとはいえ、留学生がいるかいないかはとても大きなことだろう。

 駅伝に限らず、どのスポーツを見ても近年は学校の知名度を上げるために、外国人の存在が大きくなってきている。外国人でなくても、日本各地から選手を集める学校も多い。そのやり方には常に賛否両論がつきまとう。僕はどちらかと言えば否の方だ。都道府県代表で出場している以上、地元の選手だけで戦ってほしい。地元の選手を全県挙げて育成することに力を注いでほしい。

 もう既にそういう潮流ではないが、毎年の甲子園大会を見てもそう思う。

 

 これから本格的に駅伝シーズンが始まる。僕自身もトレーニングを積みながら、そのシーズンを楽しみたい。