熊本城マラソン2020参加録 その1(前日編)

 人生初の、そして最後となるかもしれないフルマラソンは残念な結果に終わった。参加したランナーの多くは、僕と同じように苦い思い出となったに違いない。天候は仕方ないにしても、天候を考慮していない運営に不満をもった人が多いようだ。しかし僕自身は、運が良かったこともあり、そこまで運営に不満をもたなかったし(なにしろ初参加だったのでそんなものだろうかと思った部分が多かった)、残念だったと思うことは、ただただ自分のタイムに対してである。「あの天候の中では仕方ない」とか「初フルマラソンでそのタイムは大したものだ」といろいろな人から言ってもらったが、僕の中では、レース中盤までは目標にしていた3時間30分を切ることができると思っていた。それができなかったことが悔しく、そして僕は、フルマラソンを走るのはもうやめにしたいと思った。
 この記事ではまず大会前日のことを書こうと思う。

 

 2月15日土曜日ー明らかな体調不良を感じていた。熱が出る前の倦怠感だ。この時期にしては気温が高い日であったのだが、それにしても暑く感じた。一応、体温を測ってみたものの平熱だ。しかし、これは明らかに熱が出る前の前兆だと思い、土曜日の昼、夜、そして当日の朝、食後に市販の風邪薬を服用した。結果的にこれが効いたのか、当日は体のだるさもなくなっていた。
 この原因はおそらく、一週間前からのスケジュールだろうと思う。1泊2日の東京出張に始まり、それまでの一週間とは違う過ごし方をした日が多かった。その変化に体がついていかなかったのだろう。金曜くらいから異変を感じ、土曜日にはさらにおかしくなっていた。結果的に治って良かったと思う。


 さて、土曜日はそんな体調不良の中、受付に向かった。場所は辛島公園。11時前くらいに行ったが、並ぶこともなく、スムーズに受付を終えた。QRコードを見せ、身分確認証を提示するだけで終わるというのが良い。受付は高校生ボランティアが対応しており、よく頑張ってくれるものだと感心した。
 受付を終えると、サンロード新市街内へ。参加賞のTシャツ受け取りのためである。今日知ったのだが、この方法は今年からで、去年までは辛島公園内でTシャツも受け取ることができたらしい。この方法にしたのは、新市街内に設置された10あまりのブースを通させるためだろう。Tシャツ受け取りのブースは最も奥に設置されていた。
 そんな事情を知らなかった僕は、せっかく来たのだからと思い、ブースを1つ1つ見ながら歩いた。ランニングフォームチェックをしてくれるブース、体の年齢を測定してくれるブース、目標タイムとともに写真を撮ってくれるブース、大会オリジナルグッズを販売しているグッズなど、さまざまなブースがあった。
 結局、全てのブースを眺めただけで何も買わず、何も利用せず、Tシャツを受け取って帰路に着いた。
 
 帰宅後、受け取ったものを確認した後、ゼッケンをウェアに、タイム計測チップをシューズに装着し、翌日の行動スケジュールを立てた。ゼッケンやチップを見ると自然と気持ちは高揚し、事前に準備できることは全て整ったという気持ちになった。
夜の時点でしとしとと弱い雨が降っていた。それは予想されたとおりの天気だったが、翌日は少しでも雨が降らないことを願った。