夏の甲子園の行方は

 夏の甲子園は中止の可能性が高いという報道が出ている。国内の感染者が落ち着きを見せつつあり、緊急事態宣言が解除された地域もある中で、高野連にとっては、開催に向けて動いていると思っていただけに意外だった。

 

 しかし、そもそも、前にも書いたように、インターハイが中止になった時点で中止を発表しなければならない話である。組織が違うとか、都道府県大会の時期が違うとか、いろいろな意見も出ていたが、大会の開催時期は、8月中旬〜下旬とほぼ同じである。同じ時期にある、同じ規模の大会が、ある競技は開催して、ある競技は開催しないというのはおかしな話だ。異なる対応が取れるなら、開催は可能だが、移動や宿泊に伴うリスクは共通だ。「横並びの対応になる必要はない」とか「同調圧力」とか言う人もいるが、感染リスクという観点から言えば、横並びの対応しかできないのである。

 

 前にも書いたように僕は野球が好きである。好きだからこそ、野球が特別な対応をして、世論からの冷たい風当たりに晒されることを避けたいのである。ただでさえ、子どもの野球人口は減少している。時代錯誤な野球観は、その流れに拍車をかけることになる。高校3年生にとっては辛いだろうが、長い人生、目標にしていたものが失われることもあるものなのだ。

 

 横並びにする必要はない、と言っている人の中には、「横並びにするなら、サッカーやラグビー、バレーも中止にしろと言うのか」と言う人がいる。これらの競技は3年生が出場できる大会が冬にある。

 僕はそれは必要ないと思う。インターハイと甲子園は、同じ時期に開催されるから中止にすべきなのであって、冬に感染リスクがなくなっていれば開催していいと思う。論点が何かというのははっきりさせなければならない。

 

 高野連20日に決定すると言う。善処を望む。